本日は練習お疲れ様でした。
寒くなってきて、リコーダーの結露が心配される季節になってきました。
今回は、その対策の効果が実感できた練習会になりました。
冬場は気温がかなり下がるために、楽器が冷え切ってしまい、そこへいきなり暖かい呼気を通すと、温度差によってウィンドウェイに結露が発生してしまいます。
しかしこの現象は、事前にある程度楽器を温めることによって軽減できます。
一般的には、脇の下で頭部管を10分程度温める、などの対策をしますが、頻繁に楽器の持ち替えがあったり、大型楽器を担当するようになると、体温で楽器を温める方法だけでは間に合わなくなります。
今回の試みは、
①自宅から練習会場までの間は、電子レンジ加温式カイロなどでの保温、
②練習会場到着後は、ホットカーペットでの保温、
と2段階にわけて対策を講じるというものでした。
この効果は非常に大きく、練習時間の3時間にわたって、頻繁に楽器の持ち替えを行ったにもかかわらず、結露に悩まされる場面はほとんどなかったと思います。
ただ、この手の保温対策には、常に「温めすぎによる弊害」がつきまといます。
一般に楽器は、ある程度温まっていたほうが結露などのトラブルは起こしにくくなりますが、反面、温まりすぎると、ピッチの異常な上昇や、音の輪郭の明瞭性の喪失など、演奏面でのデメリットが指摘されるようになります。
また、過度の加温は楽器の変形などのリスクも心配されるところです。
今回は、ホットカーペット本体と楽器との間にあえて一枚厚手のマットを挟むことによって、熱の伝わり方を穏やかにし、かつ熱伝導のムラを最小限に軽減させることを狙ってみました。
まだ改善の余地はあると思いますが、初回としては上々の結果だったのではないかと思います。
さて、今回はハ長調のコラールを録画しました。
チューニング開始時点ですでに、かなりうなりの少ないハーモニーが出来つつありましたが、和声・非和声の練習を通じてさらに洗練されていったと感じます。
まだ部分的ではありますが、二声が一声に聴こえることがありました。
澄み切った響きが生まれたときの喜びを大切にしたいと思います。
それぞれの和音に区切ってみたとき、長三和音における第三音と、短三和音におけるそれとの違いを、明確に意識して吹き分けることの大事さに気づいていただければと思います。
個々の和音をきちんと成立させてから、その響きが、次はどんな響きに展開していこうとするのかを考えて吹けるようになりたいです。
フレーズの最初の響きと、最後の響きを聴き比べると、最終的にどういうところへ行き着くのかがわかります。
明るいところから暗いところへ行くのか、暗いところから明るいところへいくのか。そこから逆算して、最初はこんなふうに入ろう、あんなふうに響かそう、と考えられるようになると、楽譜を読むのが楽しくなると思います。
ご自身でキーボードで和音を奏でてみるだけでも、フレーズの方向性が掴めます。
ぜひやってみてください。
小節線をまたいで次の音にうつる時、小節線の直前の音で「上から下へ」圧力をかけるように吹き込むことで、分厚い音を生み出し、そのエネルギーで小節線をまたいで次の音へ繋げる、ということもやってみました。
歌の歌詞が続いているところなど、フレージングを感じさせる演奏法としては非常に有効なのではないかと思っています。
たしかに、楽譜通りの高さの音を機械的に出していっただけでも、ひととおりの演奏はできます。
でもそれだけでは、「棒読みのセリフ」にすぎません。
そこにいかに情感を盛り込んでいくかが大事ですよね。
次回、短調の音階とコラールです。
長音階とは異なる短音階の調べをよく味わったうえで、17ページのコラールの陰影の移り変わりについて分析してみましょう。
うまくいけば録画してみたいと思います。
18ページのバッハ編曲版にもチャレンジします。
つぎのト長調の音階も、読み込んでみてください。
ハ長調とは異なる響きを感じていただければと思います。
19ページのコラールの楽譜も、分析してみましょう。
12月は練習日がとれませんので、1月までは各自で練習することになります。
再開の日まで、じっくり基礎力を養いましょう。
みなさまよいお年をお迎えください。