NIKKOメトロノーム奏(そう)
木製小型メトロノーム「奏(そう)」です。
2023年に購入しました。
まずは、矢羽根材を用いた独特なデザインが目をひきます。
写真で伝わるかどうかわかりませんが、
実物を見ると、その造りの精巧さには改めて驚かされます。
多機能さだけを求めれば
便利なメトロノームは巷に多く溢れている昨今ですが、
実際に使っていると、
電子メトロノームではどうしてもしっくりこないところがあって、
結局アナログの振り子式に戻ってきてしまいます。
音楽の重要な要素である「リズム」とは、
結局のところ、身体の奥深くから生じてくる鼓動に起因するものであって、
たとえ、それが厳密に測定すれば不正確な拍子であったとしても、
生き物の持つ本来的な「ゆらぎ」も含めた連綿さの中から
紡ぎ出される自然なビートなのではないか、
そんな感じがしています。
この、小さい筐体が懸命に刻み続けるビートを感じていると、
生命の健気さを感じてしまう、
なんて表現はあまりに感傷的でしょうか。
小型なので、テンポ表記のメモリが細かすぎて、
ちょっと慣れが必要だとは思いますが、
打撃音に関しては、
このサイズのメトロノームにしては
かなりはっきりしていて聴き取りやすく、
かつ長時間聴き続けてもストレスの少ない音であると思います。
ゼンマイがエンドレス式なので、
巻きすぎることがなく、
その点でもストレスなく使えます。
小さくでキュートなデザインでありながら、
見た目以上のパフォーマンスを発揮してくれる
頼れる相棒、という印象です。